研究インターンシップは、博士学生が企業の研究開発現場に入り、実際のプロジェクトに参加することで「研究者としての成長」を加速させる、新しい学びの形です。
C-ENGINE(産学協働イノベーション人材育成協議会)は、大学と企業が連携し、博士人材が研究を通じて成長できる「研究型インターンシップ」を体系的に推進しています。本記事では、その意味・特徴・価値を、大学・企業・学生それぞれの視点から整理して紹介します。

研究インターンシップとは?

研究インターンシップは、博士後期課程を中心とする大学院生が、企業の研究現場で一定期間にわたり研究活動を行う仕組みです。

単なる職業体験ではなく、

  • 未知の課題への挑戦
  • 技術・データの使い
  • 仮説の構築・検証
  • 研究成果の社会実装

といった「研究者としての本質的な能力」を活用し、「研究を軸にした学びと共創」を目指すプログラムです。
博士人材が企業の研究課題に向き合うことで、専門知識を社会に活かす力を養い、同時に企業は大学の知を取り込みながら新しい研究シーズを得ることができます。

本協議会では、こうした活動を「キャリア形成支援」と「産学共創型研究」の両面から支えています。

一般的なインターンシップと何が違う?

C-ENGINEの研究インターンは、一般的な短期インターンとは決定的に異なる特徴があります。

  • 目的が「就職・採用活動」ではなく「研究・人材育成推進」
  • 中長期のプログラム(1か月~数か月以上)
  • 実際の企業のR&Dの課題やプロジェクトに参加ー博士の研究力が試されるプログラム
  • 研究成果の社会実装までを視野に入れた取り組み
  • 知財・契約・安全管理が必須な「研究活動」として実施

つまり、研究インターンは 博士学生の研究能力を最大化するための実践の場 なのです

🔗院生の皆様へ|研究インターンシップに参加しよう

🔗企業の皆様へ|博士人材活用を本気で考えてみませんか

研究インターンシップの目的

  • 研究を通じた実践的スキルと課題解決力の育成
  • 研究成果の社会実装を意識した研究姿勢の形成
  • 博士人材と企業研究者のネットワーク構築

研究インターンは、自身の研究の位置づけの確認や、異分野・異文化の研究者との協働を経験が可能な、博士学生の成長の機会としてとても重要です。

博士課程における研究インターンの価値

博士課程学生にとって、研究インターンシップは 研究の延長線上にある実践 です。
企業での研究を通じて、自身の専門性を社会的文脈で再評価し、キャリアの可能性を広げることができます。

  • アカデミアの知を企業課題に応用する経験
  • 社会実装・異分野連携・知財管理の現場理解
  • トランスファラブルスキル(RISE)の体得

こうした経験は、博士学生自身の研究力向上、キャリア形成など、様々な側面で博士学生にとって大きなメリットとなります。

(参考)「博士人材の民間企業での活躍促進に向けたガイドブック」でも、博士学生向けのインターンシップが、産業界と連携した人材育成、キャリア教育の一環、アカデミアに限らない多様なキャリアパス開拓や視野の拡大に有効な取り組みであるとされ、C-ENGINEの取組みについてもご紹介いただいています。

トランスファラブルスキルRISEとは、自立した研究者に必要な能力・資質・行動特性を以下の4要素に体系化したトランスファラブルスキル・フレームワークです。

RISE: Research governance & organization / Intelligence & knowledge / Social relationship
/ Effiectiveness

これを意識化することで、研究を通じて得られる能力を可視化し、研究者としての活躍につなげます。

🔗RISEの詳細はこちら

(参考)奈良女子大学では、RISEを大学院教育に積極的にご活用いただいています。
大学院生の強み:トランスファラブルスキル

大学・企業・学生それぞれの研究インターンシップ実施メリット

研究インターンは、大学院生だけの取組みではありません。大学・企業の協働によってこの仕組みは成り立っています。

大学院生にとって

  • 研究力・専門力の実践的な強化
  • 異分野の視点との出会い
  • 社会実装への理解
  • 自分の研究テーマの価値の再確認
  • キャリア形成の自信と新たな方向性の発見

院生の皆様へ

大学院生の研究インターン実施メリット

大学にとって

大学の研究インターン実施メリット
  • 博士教育の実践的深化とキャリア支援の強化
  • 産業界との連携強化
  • 学生成果の可視化による教育プログラムの質向上
  • 研究倫理教育の深化

大学の皆様へ

企業にとって

  • 博士人材の専門性・能力・発想の活用
  • 新しい視点による課題発見/オープンイノベーション推進
  • 技術課題の深掘り
  • 中長期的な人材確保・研究パートナーの発掘

企業の皆様へ

企業の研究インターン実施メリット

C-ENGINE研究インターンシップの特徴

C-ENGINEは、日本全国の主要大学とグローバル企業が参加する産学コンソーシアムです。
研究インターンをWin-winのプログラムとして実施するための仕組みを備えています。

  • 研究テーマ・期間を柔軟にカスタマイズ可能
  • 単位認定・学位プログラムとの接続を重視
  • 大学と企業の協定に基づく制度的な枠組み
  • IDM(Internship Dynamic Matching)によるマッチングシステムと大学コーディネーターのハンズオン支援

🔗 C-ENGINEの仕組み参加大学一覧

研究インターンシップ成功のためのポイント

C-ENGINEでは、インターンシップ設計を大学・企業・学生の三者協働で進めます。

事前の準備と目的共有が、成功の鍵です。

  • 研究テーマと期間の柔軟な調整
  • 教員/大学コーディネーターと企業担当者の連携体制整備
  • 研究計画と成果の扱い(知財・公開範囲)の合意
  • 学生・企業双方が「参加目的」を明確にする
  • 学生・企業双方の積極的な情報交換

🔗実際研究インターンシップの進め方:企業編大学編学生編

🔗大学コーディネーターとマッチングシステムについてはこちら

データ・事例から読み解く研究インターン

これまでさまざまなグッドプラクティスが報告されています。実際の事例の中から、学生・企業双方から高評価の事例については、インタビュー記事として詳細事例にまとめています。是非ご高覧ください。

🔗研究インターンシップ詳細事例

また、本協議会で実施された研究インターンは、学生・企業双方の満足度の高さが特徴です。

特に企業からは、「学生に自社のことを知ってもらえた」「実施したテーマに大きな成果が出た」「優秀な学生に出会えた」「社内活性化につながった」など、さまざまな声が寄せられています

企業:研究インターンシップの受入れでよかったこと(評価報告書より)

知的財産・契約・安全面への配慮

C-ENGINEでは、大学と企業が「インターンシップ実施契約」を締結し、学生は誓約書に同意した上で参加します。
秘密保持・成果の権利帰属・安全管理など、安心して研究に取り組める環境を整えています。

  • 秘密保持契約(NDA)・知財の取扱いを明確化
  • 保険制度(学研災・学研賠など)への加入確認
  • 大学・企業連携サポート体制

🔗各種様式・テンプレートはこちら

文化と科学をつなぐ学びの場として

C-ENGINEのインターンシップは、単なるキャリア形成支援にとどまらず、学術と社会の境界を越えて新たな価値を生み出す「文化的実験の場」でもあります。
単なる技術訓練ではなく、文化・価値観・背景の相互理解も重要です。異なるバックグラウンドの研究者・企業人との協働を通じて、互いの発想が磨かれ、視野が広がります。

C-ENGINEは、博士人材が多様な研究の舞台で活躍する未来を見据え、産学協働の枠組みを進化させ続けます。

  • 学生・企業間相互理解深化の場として、定期的に「学生と企業の交流会」を開催しています
  • C-ENGINEでは毎年シンポジウムを開催し、イノベーション創出・博士人材育成における研究型インターンシップの意義をはじめ、さまざまなテーマでご議論いただき、課題を共有しております

🔗C-ENGINEのイベント開催報告を見る

まとめ

C-ENGINEのインターンシップは、博士人材育成と産業界のイノベーションをつなぐ「共創の場」です。
研究の深化と応用のあいだにある“溝”を乗り越えることで、新しい学びと価値が生まれます。

C-ENGINEは、今後も大学・企業・学生がともに学び合い、未来を拓く博士人材の成長を支援していきます。

参加方法は以下をご参照ください

これまでのインターンシップ参加者のインタビュー記事(学生・指導教員・企業担当者)も是非ご一読ください!

🔗大学院生の皆様のためのお役立ちコラム