企業の研究現場から、インターンを受け入れた率直な感想を頂戴いたしました。

「新しい視点」「新しい知識」を得て「新たな挑戦」

ロート製薬株式会社 開発企画室 グローバル人材育成チーム
チームリーダー 塚本 恒星 様

当社は創業以来、胃腸薬、目薬、外皮用薬を中心とした幅広い商品開発を行ってきました。2013年からはアグリ事業、レストラン等の食ビジネス、最先端の医療である再生医療事業への挑戦も行っており、「健康と美に関する、あらゆるソリューションを提供する会社」を目指し、日々活動しています。これらの活動は先人たちから引き継いだ、新しい事に挑戦し続けるというDNAの基に進められており、そこには「新しい視点」「新しい知識」が不可欠と考えています。一方で、社内のメンバーのみで仕事をしていると、社内の常識、固定観念にとらわれがちです。C-ENGINEでの取り組みを通じて、我々も、固定観念を飛び出す機会を頂き、新たに挑戦するという刺激を頂いています。

当社のインターンシップでは敢えて当社から課題を準備することは致しません。それは我々が準備をすることで、学生の皆様との挑戦の枠を狭めてしまう可能性があるからです。そのため常に一からテーマ設定をすることとなりますが、その過程の中で、企業で働くという事を学んで頂き、我々も一緒に挑戦させて頂いています。

最後になりましたが、本インターンを通じて、大学・企業の人材の成長につながる事を願っております。

高い専門性と志をいだく学生たちとの交流で活気づく職場

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三菱電機株式会社 開発本部 開発業務部 国際標準化・産学官連携推進グループ グループマネージャー 大塚 功

インターンシップがもたらすメリットとはなんでしょうか。理系学生であれば、企業の研究開発の現場を体験し、大学で学んだ知識の腕試しを通じ、研究者としての将来を見つめるよい機会となることでしょう。一方、企業側にも大きなメリットがあります。高い専門性をもった学生を受け入れることで、研究開発の加速や新規テーマの立ち上げ、イノベーションの創出に期待ができるほか、新しい価値観をもった学生との交流により職場全体が活性化することも重要と考えています。中長期研究インターンシップは、これらの効果をより大きく得ることができます。

この取り組みの成功には、マッチングが重要であることはいうまでもありません。協議会の運営するマッチングシステムであるIDMシステムの活用、コーディネーターの方がたによる親身なご指導により、弊社においても実りある中長期研究インターンシップに結びついています。協議会の取り組みにより、この制度が大学と企業、学生の方がたにとってより価値あるものに発展することを期待しています。

挑戦から生まれる成果は、やがてデファクトスタンダードに

東レ株式会社 研究・開発企画部 主席部員 担当部長 白井 真 様

インターンシップの受け入れは、採用活動、学生さんへの企業認知度アップ、大学の先生方との連携構築に有益であることは広く認識されています。受け入れ側の企業の指導者にとっては、学生を指導するために勉強するなど、たいへんによい経験となることはいうまでもありません。

この事業の固有の成果としては、以下の点があげられます。この事業を介さない従来のインターンシップでは、依頼時期が五月雨式になり、担当部署がそのつど検討していましたが、この事業を利用することで、効率化がはかられました。また、コーディネーターの先生がたのおかげで、関係者の事前了解が得られる点も魅力です。個別の受け入れ制度では、学生のモチベーションが高くても指導教官の理解不足や考え方の違いがマッチングのハードルになる例がありましたが、その懸念は小さくなったと感じます。企業側も、この制度に参加する段階で社内オーソライズされるので、関係者間の意思疎通や事務手続きが進めやすくなりました。

将来的には、この制度が多くの大学や企業に拡がり、一種のデファクトスタンダードとなることを期待します。

基礎学問の応用が技術的ブレイクスルーの糸口に

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ローランド株式会社 総務・人事部 人事・教育グループ 課長補佐 南波 征門 様

協議会を通じて2件の中長期研究インターンシップを実現しました。いずれの事例でも、弊社の技術者が社外の人材と交流し、実践指導をおこなう貴重な機会を得たと感じています。

基礎技術部門における事例では、インターン生と弊社技術者の共同研究を通じて、課題解決に向けた新しい技術視点を獲得することができました。基礎学問の応用が技術的ブレイクスルーの糸口となりうることを再確認でき、受け入れ企業として特筆すべき成果を得たと思います。

サテライト形式のインターンシップを考案したことも、運営面における一つの成果です。これはインターン生が大学研究室に在室したままインターン就業をおこなうものですが、多忙を極めるインターン生と開発現場の双方から企業内常駐の負担をなくすばかりか、大学のもつリソース活用によりインターンシップの成果を向上させる効果がありました。

このように、インターンシップ導入による受け入れ企業のメリットを実感する今日このごろですが、今後も理工系人材の活性化に向けて、協議会を通じた取り組みを継続したいと考えています。

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