
研究者として必要な能力・スキルの「見える化」
研究者として自立していくためには、自分の能力を客観的に把握し、どの力を伸ばすべきかを意識しながら日々の研究に取り組むことが大切です。
その出発点となるのが自身の能力の棚卸です。
これまでの研究経験や周囲のフィードバックを振り返ることで、「今の自分は何ができて、何が足りないのか」が見えてきます。
しかし、一人前の研究者としてどんな能力が必要になるのでしょうか。そしてどこから点検すればよいのでしょうか。
トランスファラブルスキル『RISE』
C-ENGINEでは、研究者が自立していくために必須となる能力・資質・行動特性を、トランスファラブルスキル『RISE』として整理しています。RISEは次の4つのドメインで構成されています。
- R(Research governance & organization):研究遂行に関するスキル
- I(Intelligence & knowledge)知識・知的能力
- S(Social relationship)他者や社会との関係に関するスキル
- E(Effectiveness)自己開発に関するスキル

RISEの各項目は、研究活動を懸命に続ける中で育つ力で、研究職はもちろん、どんなキャリアでも役に立つ力、まさにトランスファラブルスキルです。
定期的に能力の棚卸をし、「何を伸ばしたいのか」「次に何を学ぶべきか」を明確にしたうえで、意識的なトレーニングが可能となり、効率的な自己研鑽に繋がります。
研究インターンシップでトランスファラブルスキルRISEは身に付く?
C-ENGINEでは、研究インターンシップが大学院生の自己研鑽の最適な環境と捉え、この「トランスファラブルスキルRISE」を、研究インターンシップでの能力向上の目標設定のフレームとして活用しています。
企業の研究現場では、研究テーマの設定から実験計画、データ解析、成果報告など、一連の研究開発プロセスを自ら推進する経験を得られます。
R(研究遂行力)は実課題へのチャレンジによって鍛えられますし、S(他社や社会との関係)やE(自己開発)は、異分野の研究者はもちろん様々な人々と連携・協働や、プロジェクトを計画的に実施する責任が伴う環境で磨かれます。I(知的能力)は大学ですでに伸ばしている一方で、実装や応用の視点が加わることでより深まることも期待されます。大学という枠組みから飛び出して外の世界を見る・知ることで、自分の能力を客観的に見直すきっかけともなります。
能力開発は「自己点検」→「伸ばす」の繰り返し
RISEにて列挙されている各能力は、もちろん一度にすべてを伸ばす必要はありません。研究者の成長は、テーマや環境、フェーズによって、その時必要となる能力が変わるからです。
重要なのは、
- 自分がすでにもっている能力と、その能力の程度
- 足りない部分・伸ばすべき部分はどこか
を定期的に自己点検し、その時の課題に応じて意識的に能力開発に取り組む姿勢です。
RISEの項目は、自分がどのスキルを重視すべきか考えるための「地図」の役割を果たします。今現在の自分の課題に気づいたら、その能力開発の一つの手段として、研究インターンシップでの実践経験を検討してください。
RISEを活用しながら、研究者としての未来を切り拓こう
C-ENGINEでは、学生の皆さんが研究インターンシップ参加時に、RISE評価書でご自身の事前・事後の自己評価を実践いただくことを推奨しています。また併せて、RISE12項目の内3つを受入企業に提示し、事後に他者評価を得ることで、現在の自分自身の「能力の棚卸」「インターンの具体的な目標設定」「自己の客観的評価」を得ることができます。
これを通して
- 研究の質の向上
- キャリア選択の幅の拡大
- 他分野研究者との協働への適応
- 社会課題の解決に向けた視野の拡張
に是非繋げていただきたいと思います。
研究者としての成長を加速させる、RISEと研究インターンシップの組み合わせ、是非ご活用ください。
🔗研究インターンシップとは ― 博士学生が企業で研究力を磨く新しい学びの形
RISE評価書の送付について
C-ENGINEの研究インターンシップ参加を希望されている学生様でこのRISE評価をご希望の場合は、
C-ENGINE事務局までご連絡をいただければ、評価書・説明書セットをお送りいたします!お気軽にお問合せください!
RISEスキルセットPDFダウンロード
参考
成功する研究者の総合的な能力開発にご興味のある方は、
英国のVitaeが開発した「Researcher Development Framework」もご参照ください。

