2023年 第1回 博士大学院生と企業のCHIの交流会を開催しました。

産学協働イノベーション人材育成協議会の第1回 博士大学院生と企業のCHIの交流会」5月11日(水)13:00~18:30にオンラインで開催されました。参加企業7社のご担当者が自社の概要を紹介されたのち、13名の参加大学院生がご自身の研究について発表され、発表終了後には発表者ごとに個別交流の場が設けられ、企業の担当者やコーディネーターの大学教員からも多くの質問やコメントが寄せられると共に、活発な交流が行われました。

 開会にあたりC-engine事務局より本交流会の開催目的について、科学・技術の進歩と社会の急激な変化が進む現代において生き抜き、新たな価値を創造していくためには、知識や技能とそれらを誘引する態度や価値を融合させたコンピテンシーが重要であること、またアカデミアでも産業界でも研究を進めていくうえではトランスファラブルスキルRISEが必要であることについて説明がありました。本交流会を、学生が背景知識の異なる参加者も理解・共感できるよう、自身の研究をわかりやすく説明する機会ととらえ、自身のコンピテンシー、トランスファラブルスキルについて自己査定する場としていただきたいと紹介されました。

 次に参加企業のご担当者から、経営理念や事業展開、研究開発、また研究インターンシップの実施内容について説明をいただきました。参加企業:京セラ株式会社、ダイキン工業株式会社、株式会社竹中工務店、東レ株式会社、日本ゼオン株式会社、BIPROGY株式会社、株式会社リコー(発表順)

 その後、博士後期課程に在学する大学院生だけでなく、博士後期課程への進学を検討している修士課程を含む13名の大学院生が4つのセッションに分かれてご自身の研究内容を発表しました。

 セッション1物理学系

「世界初、革新的大気圧プラズマによる均一な表面処理法の開発」(金沢工業大学D2学生

「観測衛星で得たX線スペクトルの解析で宇宙を探るー超新星爆発が残したプラズマを手掛かりに」(奈良女子大学D2学生)

 セッション2情報学系

「5Gと光アクセスネットワークの連携トラヒック制御基盤の研究」(金沢工業大学M2学生、「低遅延制御と広域データ共有を両立しスマートシティ基盤の実現」(金沢工業大学D2学生)、「Large Language Model (LLM) adapted to Human Robot Interaction (HRI)」(奈良先端科学技術大学院大学D2学生)

「非造影CT画像を用いた全臗関節置換術の手術計画のための血管:臗臼縁距離の自動評価」(奈良先端科学技術大学院大学D2学生)

 セッション3生命科学系

「サンゴの赤ちゃんはどうやって生きる場所を決めるのか?」(お茶の水女子大学M2学生

「歯周病菌が産生する揮発性化合物の網羅的分析による口臭原因成分の同定」(大阪大学D1学生森)

「非分裂細胞はがん遺伝子によって増殖できるのか」(大阪大学D2学生

「世界初 心不全に反応して転写を促すエンハンサーに迫る」(大阪大学D1学生

 セッション4医療系

「Prediction of drugs first pass metabolism using Microphysiological Systems (MPS)」(東京大学D2 学生

「生体関節内靭帯付着部の構造/組成と力学特性の相互作用の解明」(東京都立大学D2学生

「自閉症児のこだわり行動からの切替支援を促すシステムに関する研究」(東京都立大学D3学生)

 発表後には、研究目的や研究テーマに関心を持ったきっかけ、社会実装への展望、現在考えている仮説が正しくない場合のその後の研究方針といった研究姿勢に対する質問や、研究者が多くない分野で研究を行っていくうえでの異分野との連携の取り方、また、実際に企業で活用されている技術に関して、学生から投げかけて活発な議論が行われ、さらにコーディネーターの大学教員から発表を異分野の方にもより分かりやすくするための具体的なアドバイスの場面もありました。

 参加学生は発表前にもコーディネーターの大学教員やC-engine事務局の職員と事前に発表練習を行っており、交流会本番では、異なる専門分野の参加者から専門的な内容がよく伝わるような説明を求められる場面がありましたが、皆さんわかりやすく丁寧に説明しており、事前準備の成果が出ているように感じました。次回、「第2回 CHIの交流会」は6/14に開催されます。傍聴希望の皆様は所属大学のコーディネータまでお問い合わせください。

[申込期限] 2023年06月14日(水)発表分:2023年06月07日(水)

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