研究テーマはどう選ぶ?企業をどう見る?博士学生のための研究インターンの選び方ガイド
インターンシップを探し始めると、想像以上に多くの選択肢があることに気がつくでしょう。
5日~2週間の比較的短期のインターン、ジョブ型インターンシップ、研究インターンシップ…
募集サイトも複数あり、どれを選べばよいか迷う人も多いのではないでしょうか。
「どれが正解か」を探す必要は、ありません。大切なのは、そのインターンが自分にとって何を試せる場なのかを考えることです。
研究インターンは、企業を選ぶようでいて、実は「研究者としての未来の選択肢」を拡げる経験でもあります。本記事では、応募先を選ぶ時の視点を整理してみたいと思います!
インターンシップの種類をまず整理してみよう
最近ではインターンシップにもさまざまな形があります。それぞれ、目的が少しずつ異なります。
※各制度の定義や呼称は年度やガイドラインにより変更される場合があります。
オープンカンパニー(1day~数日間)
企業理解や業界理解を目的としたプログラムです。以前は「ワンデイインターン」などと呼ばれることもありましたが、現在は厳密にはインターンとは別扱いになります。
説明会に近い内容も多く、幅広く情報を集めたいときや「まずは企業を知りたい」という段階の人に向いています。一方で、研究的な活動を深く経験する機会は限られる場合が多いでしょう。
業務体験型インターン(5日~2週間)
特定の職種や業務を体験することが中心となるプログラムです。
実際の仕事内容や企業の雰囲気を知るには非常に有効で、採用と近い位置づけになることもあります。比較的短期間で参加できるものも多く、「働くイメージ」を掴む入り口として人気があります。
研究インターンシップ(3週間以上)
企業の研究テーマに一定期間関わり、研究開発の活動そのものを経験するプログラムです。
成果だけでなく、考え方や研究の進め方が重視されることが多く、学生と企業双方が「一緒に研究する」感覚を持ちやすいのが特徴です。研究者としての視点や研究文化の違いを体験できる機会にもなります。
特にC-ENGINEで提供している各社の研究インターンは、期間も1か月未満の比較的短いものから、3カ月以上の長期プログラムも可能です。ただ、「研究」に参加する以上、成果を出すにはある程度の期間を確保することが推奨されます。
ジョブ型研究インターンシップ(2か月以上)
研究インターンシップの中でも、一定の条件を満たすものを指します。例えば、博士課程学生対象、有給、原則2か月以上、正規の教育課程として大学から単位認定されること、などです。
「ジョブ型」という名称の通り、特定の研究系職種に位置付けられ、ある程度決められた業務内容の中で研究・開発に取り組むことになります。
C-ENGINEでも、一部ジョブ型研究インターンシップで募集する企業があります。
こうして見ると、インターンシップは期間の長さだけでなく、
- 情報収集が中心なのか
- 業務体験なのか
- 研究活動なのか
という目的の違いで整理できます。
どれが優れているという話ではありません。
「今の自分が何を確かめたいか」によって、選ぶべきタイプは変わります。
企業の選び方:名前よりも「研究の文化」を見よう
さまざまな中から【研究インターンシップ】を探そう!と決めた。
じゃあ次は「どこに応募するか」ですが、応募先を考えるとき、
つい企業規模や知名度に目が行きがちな人も多いのではないでしょうか?
でも実は、研究インターンで重要なところは別のところにあります。
研究文化は自分に合いそうか
企業によって、研究スタイルは大きく異なります。
- 個人の裁量で進める文化
- チームで議論しながら進める文化
- 社会実装を強く意識する文化
- アカデミアに近い探索型の文化
自分自身が力を発揮できるような研究スタイルの企業を選ぶか、それとも経験したことのないような研究スタイルを体験してみるか、でも選択先は変わってきます。たとえ研究テーマが魅力的であっても、研究の進め方が合わないと、期待した経験ができないこともあるかもしれません。
テーマの自由度を見てみる
「自分の専門に近いテーマか」だけでなく、以下も重要なポイントです。
- どれくらい提案の余地がありそうか
- 学生側に考える余白が与えられてそうか
- 既存プロジェクトへの参加なのか、新しいプロジェクトの立ち上げか
場合によっては、研究というよりも、作業をさせられているような気になるかもしれません。
テーマ名よりも、「研究の進め方」を想像してみると判断しやすくなるかもしれません!
博士人材との関わり方
博士学生の受入れ実績や、メンターとなる社員の存在も意外と大切です。
「一緒に考えてくれる人がいるか」
これは、インターン体験の満足度を大きく左右します。是非、インターン中の企業内でのサポート体制についても確認してみてください。
また、日本企業でたくさんの博士人材を抱えている企業は未だそう多くはありません。博士人材をどう見ているか、博士人材に対する解像度など、企業や担当者によっても異なるでしょう。そういった面に注目してみることも、企業文化を知ることに役立ちます。その企業が博士人材である皆さんに期待することも、おのずと見えてくるでしょう!
👉どこで見れる?知れる?という方は以下を活用しましょう!
🔗企業との交流イベントに参加してみる
🔗IDMシステムに登録して情報収集・匿名質問
🔗各大学のコーディネーターに相談してみる
🔗企業が創り出す価値を理解するー有価証券報告書・統合報告書を読む
テーマの選び方:研究内容が一致していなくてもいい!
ここで少し、視点を変えてみましょう。
実は、研究インターンは、自分の研究テーマと完全一致している必要はありません!!!
むしろ、
- 自分の研究の考え方・研究スキルが活かせそうか
- 新しい視点が得られそうか
- 研究の応用範囲が広がりそうか
という観点の方が、後から振り返った時に大きな価値につながることもあります。
例えば、
- 材料研究→医療機器開発
- 数理科学→製造プロセス最適化
- 人文・社会科学→UXやHCI分野
など、分野を越えた経験が研究の視野を広げることは珍しくありません。研究インターンは、「研究の横展開」を試す場でもあるのです!
👉C-ENGINEのIDMシステムを活用して探す場合には、「必須条件」さえ満たせば応募可能です。気になるテーマが無いか、探してみませんか?
🔗IDMシステムに登録してインターンテーマを探す
応募先を選ぶときのチェックポイント
迷ったときは、次のような視点で考えてみてください。
- 自分の研究を説明できる場面がありそうか
- 研究以外の成長も期待できるか
- 社員と議論する機会がありそうか
- 研究スケジュールと両立できそうか
- 終了後に何かが残りそうか(経験・視点・人とのつながり)
すべて満たす必要はありません。
ただ、「何のために行くのか」を自分で意識しておくことが大切です。
①や③については、前述の「企業の選び方」「テーマの選び方」を踏まえて、交流会イベントで企業担当者に直接聞いてみたり、大学コーディネーターに相談してみるのをおススメします!
👉研究インターンシップに行く目的の明確化には、以下もご参照ください
🔗指導教員に研究インターンをどう説明するか
🔗研究インターンに行って、研究は遅れないだろうか?ー博士学生が向き合うべき、正直な話
研究インターンと採用との関係はどう考える?
研究インターンは、基本的に採用活動とは別のプログラムです。
一方で、長期間一緒に研究を行うため、結果としてキャリア選択に大きな影響を与えることもあります。
これは、「選考」だからではありません。お互いに理解が深まるからです。
学生は企業の研究文化を知り、企業は学生の考え方や研究の進め方を知る。その結果として、将来の選択肢が自然に広がることがあります。
研究インターンは、評価される場というより、理解される場と考えるとイメージしやすいかもしれません。
👉博士の就活、どう始めればいいかわからない、という方は以下もご参照ください
🔗博士の就活はいつ始める?企業就職は「今すぐ」じゃなくていい理由|アカデミア志望でも知っておきたい、博士キャリア準備の第1歩
🔗【博士進学の困りごと#3】就職、どうしよう…?
よくある失敗パターン
最後に、よくある選び方の落とし穴も紹介します。
- 有名企業だけを見てしまう
- テーマ名だけで判断してしまう
- 専門との一致だけを重視する
- 就活視点だけで選んでしまう
どれも悪いことではありませんが、それだけで決めると「なかなかマッチするものがない」「思っていた経験と違った」と感じる原因になりやすいです。せっかく貴重な大学院生活をインターンシップに充てるのであれば、多方面からメリットを検討しましょう。
研究者タイプ別:おすすめ研究インターンの選び方
インターンを選ぶ時、「どれが正解か」を探し始めると迷いが深くなります。
そんな時は、少し視点を変えて、自分がどんな研究スタイルに近いか から考えてみましょう
ここでは、よく見られる研究者タイプを4つに分けて紹介します。もちろん、どれか一つに完全に当てはまる必要はありません。今の自分に近いものをイメージして参考にしてみてください。
- 深掘り型研究者:
一つの問いを徹底的に追いかけたいタイプ
👉特徴
・専門分野を深く掘り下げるのが好き
・仮説検証を丁寧に積み上げるのが得意
・長期的なテーマに集中できる
👉おすすめの選び方
・研究インターンシップ、ジョブ型研究インターンシップとの相性が良い
・研究テーマの継続性や専門性の高さを見て選ぶと良い
・指導者や研究チームの体制をしっかり確認しよう
✅ポイント
テーマの一致は大事ですが、「深く議論できそうな環境か」も同じくらい重要です。研究の質を高める経験ができるかも!


- 探索型研究者:
新しい視点や領域に触れるのが好きなタイプ
👉特徴
・分野をまたぐ発想が得意
・新しいテーマにワクワクするタイプ
・研究の応用先を探すのが好き
👉おすすめの選び方
・分野横断的な研究インターンシップ
・テーマの自由度がある企業
・異分野との接点がある環境
✅ポイント
専門と完全に一致していなくてもOK。「少しずれている」くらいが、新しい研究アイデアにつながるかも!
- 社会実装志向型:
研究が社会でどう使われるかを見たいタイプ
👉特徴
・研究の出口に関心がある
・実装・事業化・ユーザー視点が気になる
・スピード感のある環境が好き
👉おすすめの選び方
・業務体験型インターン
・社会実装寄りの研究インターン
・開発部門やプロダクトに近いテーマ
✅ポイント
研究の完成度よりも、「どのように社会に繋げているか」を見るのがコツです。研究者としての新しい視点が得られるかも!


- まだ迷っているタイプ:
研究もキャリアも、これから考えたいタイプ
👉特徴
興味はあるけれど方向性はまだ定まっていない、企業研究もこれから始めたい、比較しながら考えたい
👉おすすめの選び方
・オープンカンパニー
・短期間の業務体験型インターン
・複数の企業を見られる機会(合同説明会や企業との交流会など)
✅ポイント
いきなり長期インターンに挑戦する必要はもちろんありません。まずは、「研究室の外の世界」を覗いてみることから始めましょう!
ここでご紹介したタイプは固定的なものでは決してありません。
研究が進むにつれて、深掘り型だったのが社会実装志向型になったり、探索型だったのが深掘り型になったりという変化もざらにあります。
大切なのは、今の自分にとって「少し背伸びできる経験」を選ぶことです。
インターンシップは、将来を決める場というより、研究者としての可能性を試す実験の一つだと考えてみるのはいかがでしょうか?
研究インターンシップに関心を持った方は、是非IDMにアカウント登録して、第一歩を踏み出してみましょう。
C-ENGINEの研究インターンは大学の教育プログラムとして実施していますので、安心して参加してくださいね。
🔗IDMシステムとは
🔗IDMにアカウント登録して研究インターンシップに挑戦しよう!
🔗各大学のコーディネーター・相談窓口
🔗研究インターン参加学生の声
🔗研究インターン体験談インタビュー記事

